10代ママのママサロンや子ども達の学習支援をしています。
身近なお兄さん、お姉さんとして、何気ない話ができる存在に。
NPO法人PIECESさん訪問
豊島区の要町で10代ママサロンを運営しているNPO法人PIECESの荒井さん、塚原さんにお話を聞きました。
NPO法人PIECES
住所 〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-3-18ビラ・モデルナA203
10代のママサロンを開かれたのはどんなきっかけだったのですか?
荒井さん:10代ママサロンを実施しているこの場所は古民家を借りて実施しています。もともと助産師さんや地域のおかあさん達とママサロンをしていた場所なんです。ちょうど、ある10代ママの高卒認定の勉強をみていたときに、この古民家を使ったら?といってもらったのがきっかけです。もともと地域の人たちが集まる場所だったので、助産師さんや地域の方々にも協力してくれています。
PIECESさんは他にどんな活動をされているんですか?
荒井さん:10代ママがメインというよりは、様々な環境にいる子ども達のサポートをしています。ここでは、子どもと大人が集まって、一緒に料理をしてご飯を食べるイベントもやっています。今日はそこに参加している子が、自分で料理してみんなに料理をふるまうという企画で準備をしています。そういったイベントや子供たちの学習支援などをしていて、その中で、出会った子とつながりが続いて、ここを離れたあとも相談に来ることがあります。10代ママの支援もそういう中で始まりました。教え子の友達や先輩、周りに同じように若いママさんがいて、会話の中で困っているようなことをキャッチしたら、会いに行ったりして、相談にのったりしています。 友達がDVを受けているんじゃないかという相談で会いに行くこともあります。
10代のママさんにはどのような関わり方をされているのですか?
塚原さん:ママサロンの他には、ある支援機関から10代のママさんを紹介されて、月に3回くらい勉強会や食事会のような形で、話を聞いています。勉強を教えるというよりは、よりそう感じです。公的な機関からの関わりは多いのですが、だからこそ、何気ない話ができる存在が必要なのかなと思います。 遊びや趣味の話をしているうちに、少しづつ自分のことを話してくれるようになりました。
荒井さん:支援者という顔よりは、友達のようなお兄さんのような、ちょっとした支えとか、なんかちょっとあったときに相談しやすい人でいたいと思っています。 専門家じゃない、普通の若者です。
ここではコミュニティーワーカーを育成しているそうですが
子ども達に寄り添えるスタッフをもっと育成していきたいとおもっています。 代表は児童精神科医で、社会福祉士もいます。そういったメンバーと一緒に研修を作っていますが、子ども達の背景を知りすぎるよりは、価値観を押し付けすぎないで寄り添うことが大切だと思います。 事前に教えることはせずに体験をして、みんなで振り返をする中で学んでいます。
今後はどのように活動を広げたいですか?
荒井さん:これからはもっと、こういう場があることを発信していきたい、そのためにも一緒に活動してくれる人を増やしたいです。 イギリスにteen pregnancy unitという10代ママのための学校やシェルターのようなものがあります。日本で、このようなものが出来たらと思っています。シェルターとしての機能だけでなく、学びの場や、就労支援もやっていきたい。キャッチする部分はできますが、それ以外の部分は企業や他の団体とも協力出来たらと思っています。
10代ママたちの子育てや仕事について聞かせてください。
荒井さん:私たちが関わっている子達はみんなすごく頑張っています。子育てのことだけでなく、自分の進路や仕事、生活のことなど全て一人でこなさなくてはいけません。そうした姿を見ていると、何か少しでも力になれたらという思いで関わっています。地域の方々や助産師さん達が10代ママたちに子育ての温かいフィードバックなどもしてくれています。こうしてフィードバックをもらうことで悩んでいたママも少しずつ自信をつけていきます。 その他に、就労は特に取り組んでいきたい問題です。子どもがいるから働き方を制限されることや、多くの子が高校を中退しているので、つける仕事も限られてしまうことがあります。
10代のお母さん達にメッセージをお願いします!
塚原さん:これまであなたは1人で辛いことや苦しいことを乗り越えてきたかもしれません。けれど私は一緒に少しでも悩み、壁を乗り越えられる存在でありたいと強く思っています。あなたは1人じゃないよ、と伝えたいです。 人を信じることは難しいことだと理解しているけれど、少しずつ関係を作り歩んでいけたらと思います。私自身、未熟なところもありますが、少しでも辛い、苦しいと感じていたら、気軽に連絡いただけたら嬉しいです。